随生庵のブログ

和の美が好きなので、「わび数寄常住」の思いをつらつらと。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

いのちの道

人ははじめから人であるのではない。人は母の胎内で魚になり、蜥蜴になり、鳥になり、鼠になり、猿になりして人として生まれ出るのである。この星の上に降り注いだ水の中に微かに生まれうごめき始めた太古の命が数十億年かけて、少しずつ少しずつ進めていっ…

枯野のうれしさ

冬の到来と共に野山の植物は錦を脱ぎ捨てて赤茶けた枯れ色に沈み込む。何とも物寂しく冷え冷えとした風情だが、齢半白を過ぎてこの枯野の風景が何とも言えず好きになった。そんな晩秋の景色を詠んだ代表的なものが「三夕(さんせき)の和歌」だろう。 さびしさ…